ナカバルツクル会さんとヒンメリづくりWS

わたしたちが暮らすここ南小国町は、大字が3つあります。

赤馬場、満願寺、中原(なかばる)。

大字というのは、江戸時代の村名を継承した地名。

赤馬場村、満願寺村、中原村。

この三位一体のうちのひとつ、中原地区で二年前に発足された「ナカバルツクル会」さん。

否が応でも進む少子化による弊害はさまざま。

そこを我が事と捉え、地域資源である文化や環境、教育を守り支えるべく、子どもたちのために立ち上がったお母さんたちの会なのであります。

そんなナカバルツクル会さんにお声がけいただき、中原小学校の子どもたちへヒンメリづくりのワークショップを行ってきました。


子どもたちは、畑で農作物を育て、町の物産館で販売し、利益を得るという学びもしており、その畑の土壌改良を目的に今回麦を育てられたそう。

学校の一角にその麦刈りの様子と実際の麦わらが飾ってありました。


子どもたちが育てた麦で、初めてのヒンメリづくりに立ち会えるなんてなんとも光栄な機会!!

せっかくなので、家族全員でおじゃますることに。

ちびすけもおおはりきりです。



全校生徒38名の小学校。

今回は123年生クラスと456年生クラスに分かれての授業。

ヒンメリづくりはデリケートな麦での細かい作業です。

低学年の子どもたちでも時間内にできるよう、みなさん工夫をして準備をしてくださいました。


さあ、いよいよスタートです。

今回は基本の正八面体をつくります。



気分は金八だぜっ!と言いたいところですが笑、なにぶん育休中のヒンメリ業でして、久しぶりの現場感にどぎまぎ。

机の下でちびすけの手をぎゅっと握りしめ、母ちゃん勇気をもらっておりました。


はたして時間内できるだろうか、興味をもってくれるだろうか、そんな大人の心配なあんて、なんのその。

小さなおててで集中していっしょうけんめい。

戸惑ってる子には子どもたち同士でフォロー。

複式学級のよきところですね。

ナカバルツクル会さんがヒンメリにつけるタッセルと子どもたちのネームを葉っぱで準備してくださいました。

好きな色をそれぞれえらびます。

色の合わせもすてきです。



自然物を触りながら、脳内で完成をイメージして、平面から立体に立ち上がる場面を体験することは学習面においても感受性の面においてもとても大切なことだと考えています。

それがまだあたまの柔らかい子どもならなおさら。



わたしたちはことばのつくる絶対世界にいる気になっているけれど、

そのことばというものは本当はひどく曖昧で。

人によって解釈はさまざま。

それだけ世界もさまざま。

この世はあらわすことができないことであふれています。



今の社会というのは、巧みに表現し、理解し、素早く処理できる能力があればあるほど優秀であるという効率重視。

AIの出現でそんな能力はすぐに取って代わられてしまいます。

にんげんの行く末はますます迷い道に。

子どもたちには、ことばにできない考えや気持ちや発想をなしとせず、その不確かな世界を確認するための手段として、学ぶことを深く楽しんでほしい、好奇心を持ち続けてほしい。

そんなことを思っています。




高度なテクノロジーなどない時代の昔々の人々が、立体の藁細工に託したことばにならない想いとはなんなのだろう。

つくってみたらわかるかなと思って続けているけれど、やっぱりまだまだ捉えることはできません。




さあ、38個の個性豊かなヒンメリたち、なんとか2時間の授業で出来上がりました!

地熱で加工した地元産小国杉(これまたすごい!)の枝に吊るして、大完成です!!


先生方にもちょっと大きめサイズを製作していただき、そちらも合わせて。

中原小学校のみなさん、勢ぞろいです!




なんだかみんなの笑顔に見えてならないのは、わたしだけかしら。



中原小学校のみなさん、

ナカバルツクル会のみなさん、

ありがとうございました!



にわとり舎

土に根を張り、土とともに生きていく。 阿蘇の里山の水源近くの古民家で、動物たちとともに、 薪をくべ、田畑を耕し、 時々麦を編みながら暮らしています。

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